とらドラ! 第17話「クリスマスに水星は逆行する」

クリスマス前の華やいだ雰囲気の中での新展開。
ファミレスで開く勉強会が、会長が去った後の人物の相関関係を改めて設定する場面となっていて、大河と北村をくっつけようとする竜児の友人二人に、北村に接近する木原、そして「違う」という自分の言葉に自分が混乱する竜児といったところ。実乃梨が竜児を避けているらしいのも重要なポイントである模様。
セリフの端々に明らかにサンタクロースの存在を信じている気配の漂う大河には、これまでとは別の意味でこの娘大丈夫なんだろうかと思ったりもしましたが、ドーナツを天使の輪に、ネギをキューピッドの矢に見立ててはしゃぐあたりは大変可愛らしくて良かったですよ。OPでも着ている白いコートが印象的で、作画的にも力が入っていて、表情の一つ一つが生き生きと描かれていて、ほれぼれしてしまうよな仕事でしたよ。前回の北村の件を経て、彼女に変化があったことを、行動や作画によって強く印象付けておりました。
大河と反比例するかのように実乃梨が沈んでいるわけですが、前回から亜美から指摘された「罪悪感」に原因があるようで、それと向き合うことが、これからの彼女にとって重要な意味を持ってきそう。おそらくは彼女も竜児のこと好きなんだと思いますが、どのように動いていくのかに期待。
これまでクラスメイトA、BのうちのAみたいな扱いだった木原が、メインの人物たちの恋愛模様に絡んでくるのが面白いところ。確かにこれまでにも、北村のことを気に入っていることを示す描写はあったわけですが、ここに来て大きく表に出てくるのは意外でしたよ。ファミレスからの帰りの竜児と大河を応援すると言うところは、二人のためというよりはむしろ、大河に北村を取られないためみたいな打算が感じ取れる場面となっていて、妙な迫力がありました。
三十路の先生の悩み相談に、春田の妄想にと脇役に焦点が当てたネタが楽しくて、全体としては躁っぽい状態。竜児と母親がインコちゃんに土下座する場面もシュールで笑せてもらいましたが、複雑に交錯する恋愛模様がこじれる展開を前に、軽い展開でワンクッション置いておくみたいな予感がするところ。
OPEDともに新バージョンに。インパクトとしては前の方が強く感じられますが、唄われる歌詞は、作品の内容をより反映しているように思いました。