とらドラ! 第21話「どうしたって」

雪山で修学旅行という名の修羅場を迎える話。
木原と能登のいざこざから実乃梨と亜美の一触即発な流れになり、それを回避したかと思いきや翌日の直接対決と、前回の仲良しグループみたいな雰囲気から一転して心の裏で蠢いていたわだかまりが表に現れつつも、大河の遭難によって一時休戦という流れ。
能登が木原に絡むのは、やっぱり気があるからなんだろうなぁと思いつつ、北村が亜美からそのニブさを面と向かって指摘されることや、それによってこれまでの努力が全く意味がなかったことを知らされて泣き出す木原と、脇役は脇役で大変な状況に。
女子部屋での緊張から翌日のゲレンデでの爆発は女のドロドロした部分をさらけ出すような展開。亜美は普段から二面性のあるキャラクターとして描かれているのでともかく、彼女の挑発によって実乃梨の怒りゲージが高まっていく様子は怖いものがありました。押し入れに男子+大河が隠れているという間の抜けた状況なのに笑えなかったりしましたよ。
ゲレンデで実乃梨の謝罪にも関わらず亜美がキレたのは、竜児からの告白を受けようともしない実乃梨に対する苛立ち臨界点に達したからかなと。おそらくは亜美も竜児に気があるんだろうけれども、竜児、大河、実乃梨の間の複雑な関係が全部見えているわけで、自分の入り込む余地がないから外側から眺めているだけの自分にいらだちつつ、結果を出すことから逃げている実乃梨が気に入らないと。二人とも自分を作って本心を見せないキャラクターなだけに近親憎悪的なものもありそうですよ。
竜児に背負われた大河が、北村と勘違いして本音を漏らすのは出来すぎではあるけれども終盤に向けて大きく話が動く急展開。ややこしい状況をさらにややこしくしつつ、その原因が竜児にあることを彼自身に自覚させるものでした。これまで実乃梨が好き、以外の感情を自覚していなかった彼が自分の内面と向き合うことになる予感。
OPの冒頭にある大河たちがすれ違う場面を彷彿させる展開となっているわけですが、終盤に向けてそれが解決されて、同じくOPの終わりに見られるように、大河の元に皆が集まるような方向へと話が進むことに期待したいところ。
部屋に戻ってきた大河が見せる、お茶を飲む→むせる→こぼす→頭を拭いていたタオルで畳を拭く→そのタオルで再び頭を拭く、の一連の動作は、どうにもダメな子なんだけれども同時になんとかしてあげなくちゃと庇護欲をかき立てるものでもあり。ゆらゆらと丁寧に動く作画がそれを強めておりました。
部屋で実乃梨を挑発する亜美が、あごを上げてガンを飛ばすところは、シンプルな線で描かれながらも憎々しい表情となっていてゾクゾクするモノが。実乃梨とのバトルも感情むき出しのバトルも女同士とは思えないほど激しく、ちょっと引きながらもキレのある動きに見入ってしまいましたよ。