とらドラ! 第25話「とらドラ!」

登場人物の成長を描く青春モノらしい爽やかな最終回でしたよ。
竜児と泰子、泰子とその両親という高須一族の問題をまとめて解決するのは、なかなかに力業だったけれども、竜児を育てたことを両親に認められたことで、泰子の子離れが完了し、また大河と一緒に逃げずに、泰子と両親の和解をお膳立てした竜児も一人前になるといったところでしょうか。祖母が泰子を迎え入れる場面が感動的でした。
それを受けて、大河が自分自身や家族と向き合うことを決意し、竜児の前から去るのは辛い選択でしたが、彼女が竜児と並び立つためには避けて通れない道なんだろうなと。
前回の駆け落ちはあまりにも急展開に感じられたりもしたけれど、こうして考えると、一度は逃げの姿勢を見せることで、竜児や大河の乗り越えるべき壁を明確にする意味があるように思いました。
祖父母の家における満天の星空でのキス、自宅に戻った大河が自分を重ねるたった一つの星、クラスメイトたちから彼女に送られる星を囲んだ写真、と星を象徴的に使った演出が印象的。一話冒頭の竜児と大河によるモノローグと、二人が関わるキッカケとなったラブレターの件の時と同様にロッカーの中にいる大河といった繰り返し、そして大河の手帳に挟まれた二枚目の写真を、あそこで見せるのも心憎い仕掛けでした。
作画は高いレベルでの安定感と多彩な表情や演技が両立する大変力の入った仕事で、目立つところでは、竜児と大河のキスシーンが微笑ましかったり妬ましかったりなんかムラムラしてきたりと見ていて大変な事になる出来映え。また渋いところでは、竜児が北村と大河の写真を見つけた時に、一瞬嫉妬するかのような表情を浮かべてから、それを受け入れるかのような顔になり、更にその下のもう一枚の写真を見つけて微笑むまでの表情の変化が素晴らしく、この物語の流れを集約しているような素晴らしい演技付けとなっておりました。セーラー服姿の大河も大変可愛らしくてよろしいわけですが、衣装の変化が、見た目だけではなく、彼女の成長を反映しているようにも思えるところ。
竜児と大河が離れている間の出来事が見たかったりとか、欲を言えばキリがないんだけれども、よくまとまった最終回。素直になれなかったり相手を思うが故に逆に傷つけたりを、時にやりすぎなくらい真正面からぶつかって解決し成長していくのは清々しく、半年の間見続けて良かったと思える作品でした。
全体の感想は、いろいろあってまとめきれないのでまた後で。