アニメオタクは脳内嫁の夢を見るか? 〜「いっしょにとれーにんぐ」企画者へのインタビューから〜

二次元の女の子がトレーニングを指導してくれるソフトということで、大きな話題となり、個人的にも堪能させてもらったアニメ、「いっしょにとれーにんぐ」を企画した中川宗成へのインタビュー記事を読んで思うところがあったのでそれについて。
インタビューとしては踏み込んだ内容でもないし、作品自体もネタとしての旬を過ぎたのか、あまり話題になっていないようですが、アニメの作り方に新しい可能性を開くようなことをさらっと言ってたので取り上げますよ。

せっかくベンチャーとしてやっているのだから、バカバカしすぎて誰もやらなかったことをやろうって思ったんです。企画、脚本全部自分です。

そうです。出資も100%自分です。企画は1年以上前から。アニメ、音などは1月から3月くらいの3か月ほど。売れるかどうかだけ考えていましたね。

「バカバカしすぎて誰もやらなかったことを」「売れるかどうかだけを考えていましたね」という発言から、企画的にはインパクト勝負の商売だったことが伺えるわけですが、ここで注目して欲しいのは、企画だけでなく脚本や出資も中川宗成という点。つまり資金を用意すれば、自分の頭の中にあるものをアニメとして表現出来ることを示したわけです。
過去には、オネアミスの翼を作るために岡田斗司夫らがガイナックスを設立したことや商業スタイルのアニメを一人で作った新海誠という例がありますが、人を集めて制作部門まである会社を立ち上げたり絵まで一人で描いたりはさすがにハードルが高いので、それなりの資金があれば、そういったスキルがなくてもアニメを作れるということを実証したのは画期的なことのように思いますよ。
こうしたやり方が一般的になれば、オタクの頭の中で眠っていたネタが比較的簡単に日の当たる場所に出せるようになり、この作品の用に誰も思いもよらなかったようなスキマ的な作品が生まれてアニメという表現の可能性を広げてくれるんじゃないか、とか言ったら期待しすぎでしょうかね。自分の脳内嫁を自分のためだけにアニメにするなんてことも出来るようになるかも。