けいおん!ブームに対する違和感、なんだか関連商品が売れてるという話ばかりだよねという話

けいおん!楽しいよね。などと書くといきなりエントリのタイトルと矛盾しているみたいだけれども、個人的にはハマるというほどではなくても毎週欠かさず見るくらいには気に入っているのは事実なので一応。バンド活動を通して女の子たちがキャッキャウフフする様子が、京都アニメーションによる丁寧な作りによって描かれるのを眺めていると、それだけで頬が緩んでしまいますよ。

では、作品そのものでなければ、何に違和感を覚えているのかというと、ネット界隈での取り上げ方について。
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話題になるのは、関連商品がいかに売れているかということばかりで、まあ実際に人気があるから売れてるんだろうし、関連グッズや作中に登場するアイテムを手にすることで、キャラクターや作品の世界を身近に感じたいというオタク心が数字として表れているんでしょう。
でも、ことにけいおん!については、商品、それも作中に登場するというだけで直接は関係ない物まで売れていることばかりが話題になり、それに反して作品自体が取り上げられるということがほとんどなくて、そこに違和感を覚えてしまうわけです。ダラダラとした日常を飽きさせずに見せることをはじめとして、アニメーションとしてよく出来ているのに、そこしか取り上げることがないのかよ、と。

見る側も数字という分かりやすい話題を求めていて、取り上げる側もそれに応じているだけなのかも知れません。ですが、かつて売り上げ何万枚とか興行収入が何億円とかいう、中身よりもとにかく数字の大きさで注目を集める宣伝を繰り返したあげく、いつの間にか沈滞していたJPOPやハリウッド映画*1と同様の道を、アニメ業界も歩みはじめているのではないか、とか言ったら大げさでしょうか。

*1:今でも巨大産業ですが、国内では08年に邦画との比率が逆転したそうです。→邦画が大差で洋画上回る 08年の映画興行収入