「夏のあらし!」第9話のパロディを並行世界的演出として解釈する試み
様々な作品のキャラクターが画面のスミに登場していたのが話題になっていて、個人的にも「咲-Saki-」、「けいおん!」、NHKの天気予報の春ちゃんに、「いっしょにとれーにんぐ」のひなこと、放送中のアニメや話題になったネタを速攻で盛り込んでくるフットワークの軽さに、毎度のことながら感心したわけですが、ここではそれら単なるお遊びとしてではなく、ストーリーに関連した演出として解釈してみようという話。
注目したいのが、冒頭の傷んだサバについてのやりとりをする一連の場面。
同じアングルからのカットが繰り返されて、そのたびに奥のテーブルにいる客が変わっているという。
一見、本筋と関係ないところで遊んでいるだけのように見えるわけですが、この後作中で、過去を変えることで、いなくなるはずの人がいなくならずに、いるはずの人がいなくなる可能性が語られていたことを考えると、登場人物たちが呑気にサバの話をしているその瞬間にも、過去を変えた影響が現れているようにも受け取れるわけです。
物を手前においてのぞき込むようなロングショットで、主人公たちと入れ替わる客を同じ比重で画面に置いているあたりも、そういった時間の流れの外からの客観的な視点を強調しているようでもあり。
・まとめ
けっこう強引な解釈だとは思いますが、かつて「ビューティフルドリーマー」の登場人物の一人、しのぶの髪がいつの間にか伸びている場面があって、
直前まで肩までだった髪が
ここでは背中の中程まである。
この直後に彼女が消息不明になったりして、現実離れした物語の内容とあいまって髪の長さに何か意味があるんじゃないかと話題になったこともあったそうで。
当時のことはよく知らないので聞いた話で、結局単なる作画上のミスだったらしいですが、単なるお遊びやミスでも制作側の意図しない受け取り方が出来て、そういう余裕があるあたりも、アニメを見る楽しみのひとつなんじゃないかということで。