咲-Saki- 第14話「存在」

副将戦前半のオーラスと後半戦の始まり。
ダマで十分な手でリーチをかけて親倍に仕上げてみせたりして、目立ちたがり屋の透華らしい見せ場があったわけですが、次の局でのリーチに対する凡ミスとも言える振り込みから、怪しげな雰囲気が出てきて、振り込まれた鶴賀の東横桃子に話の焦点が移るという流れ。
影が薄く誰からも必要とされてなかった彼女が、加治木に見出されたことで大きく変わることが描かれる回想は百合風味のいい話。繰り返しがちょっとくどい感じでもったいなかったけれども、まあ尺やら作画の都合やらと、いろいろあるのかなと。
存在感が薄いからリーチをかけたりアタリ牌を切ったりしても気付かれない、という能力は、麻雀とは無関係な特性をそのまま持ち込んでいるということで、卓上でのみ発揮される咲の嶺上開花と比べると異質な印象。でも部長が部員が入ることに賭けてその通りになったことを考えると、彼女の悪待ちと同類の能力なのかも知れず。
リーチ宣言が他人に認識されないのはルール的に問題があるような気もするところですが、カメラを通せば普通に認識されることや、後ろに立ってる審判が何も言わないところを見ると、卓を囲んでいる人間だけに対して発揮される能力のようなので、結局気付かない方が悪い的なことになりそう。
回想において桃子が自らコミュニケーションを絶っていたことや、今回「消える」のに時間がかかったらしいことからすると、基本的に影が薄いけど、ある程度は意図的にコントロール出来たり、対象者によって効果が違って来たりするようですよ。
他家のリーチに対してベタ降りを続ける地味な前半戦、特に西を止めるという鋭さを見せた透華が連続して振り込むあたりは、桃子の能力によって起こる事態の異常さを際だたせておりました。
何をやっても気付かないのでは対処しようがないけれども、それをどのようにして破るのかということで、この作品における麻雀を題材にした特殊能力バトルとしての側面が前に出てくる展開。とりあえずは親倍ツモで逆転されたのにノーリアクションで、覚醒モードに入ったままの和の動向が気になるところですが。