青い花 第8話「恋は盲目」

ふみと杉本が別れたその後のお話ということで、二人の心情や、それを受けてのあきらと京子の行動が描かれる話。すこし引いた感じの第三者の視点から淡々と見せるわけですが、丁寧な描写で彼女たちの心の動きが読み取れる作りとなっておりました。
Bパートの頭で、ふみとあきらが共に過ごす様子を、時間を大きく端折って見せるのが印象的。心の傷を時間が解決する的な描写なんだと思いますが、この時間の経過があるからこそ、平静を装いつつも抑えつけていたものがあふれてくるみたいな感じで、最後の喫茶店で不意にふみが涙を流し、京子もつられて泣く場面が生きてくるのかなと。拒絶されるという共通の経験を通して、距離のあった二人の心が通じる良い場面でしたよ。
あきらが杉本を問い詰めるあたりはお節介だけれども、ふみへの友情の篤さが感じられて好印象。一方で杉本から、改めて演劇部の顧問に対する気持ちを聞かされて、何も言えなくなってしまうあたりは複雑なものがあるわけですが。キャンバスに向かう二番目の姉に対する杉本の「男っぽい」発言は、彼女が男のように振る舞う理由が、姉の影響であることを仄めかしているんでしょうか。
体育館での声援から存在を意識しつつも背を向けたり、部室ですれ違いながらもスルーしたりと、ふみが杉本との関係を吹っ切る方向で話が進んでいるのかと思ったら、最後に泣いたりしてまた先の展開が読めない状況に。細かい表情や仕草まで気を配られた作画が素晴らしかったですよ。