化物語 第7話「するがモンキー 其ノ貳」

神原の左腕の秘密と、阿良々木を襲った人物がそれに操られた彼女であることが明らかになる話。
展開としてはシンプルで、神原が犯人であることやそこに戦場ヶ原への感情が絡んでくることがこれといった意外性もなく示されていた印象。忍野に解決を求めるのもこれまでと同じパターンなわけですが、まあこの作品の魅力は、阿良々木と女の子が繰り広げる会話劇であり、それを型にはまらない演出で見せる映像であるのは、これまで見てきたとおりなわけで、むしろシンプルなストーリーがそれらを際だたせているようにも思いました。
阿良々木が、神原の左腕よりもレズ発言に対して明らかにうろたえてるのがおかしかったりするけれども、確かに彼にとっては後者の方が非日常なのかも知れず。神原のレズにしてBL好きという相反しそうな嗜好が、本人の中どう処理されているのか謎で、阿良々木を持ち上げすぎて逆に白々しく思えてくるセリフ回しもとらえどころのなさを強調しておりました。
自分の魅力を神原がアピールするところからスパッツ談義に話がズレていくあたりの演出が印象深く。エロティックでありながらもどこか珍妙な会話に合わせて、文字とレトロな漫画絵、そして公園の遊具の写真といったカットが、細かく繰り返される場面は、そういった手法を多用するこの作品の中にあっても特にインパクトがありましたよ。また、神原の部屋における本の状態も気になるところで、散乱→とりあえず片付ける→再び散乱という変化が、話の流れと対応しているように見えました。
アバンで、阿良々木が傷を負ったことに対して無関心なように振る舞っていたひたぎが、最後にとった行為は意外で、確かにこれなら傷みも飛んでいくだろうというか、傷ごとでいいからそのポジションを譲ってくれとか思ったりするわけですが、恋人を普通に心配したり介抱したり出来ないあたりに、彼女の心の壁が反映されているような気がするところ。