青い花 第9話「夏の夜の夢」

ふみたちが京子の許嫁の別荘に遊びに行く話。杉本との別離から来る喪失が描かれていた前回から一転、クラスメイトの三人組の存在もあって、全体的に明るく華やいだ雰囲気となっておりました。
京子と一緒に泣いたことで、杉本との件をふみが吹っ切ったように見えるわけだけれども、随所に、ふみの主観と思われる視点から京子を見つめるカットが挿入され、また彼女の描いた絵に関心を持ってと、今度は彼女に気持ちが向いているかのような気配。
絵にまつわる回想から京子自身は今でも杉本に片想い中で、また京子の許嫁も彼女に対して単なる許嫁という以上の感情を抱いていることが明かされ、更に人間関係がややこしいことになってきた印象。
許嫁の人による京子が迷子になった時の回想から、彼の胸中が明かされるくだりは、なかなか切ないものがありましたが、こういうときに話を聞かされ、答えにくい質問をされる役は、やっぱりあきらだったりして彼女も苦労しているなと。周囲が色気づく中、彼女だけはそういう話がなくて、本人もその点について焦りみたいなのを感じているようですが、今のままでいて欲しいような気もするところ。
怪談と肝試しの場面で、あきらがふみに助けを求めつつも、ふみの方は興味津々でスルー、というやりとりの繰り返しが面白かったですよ。
それにしても夏のバカンスといえば海へ行って水着祭となるのが、アニメ的なお約束だろうと釈然としないものを感じつつも、まあ山の別荘の方が高級で金持ちっぽいというか、そもそも、そういう直接的な方向に行く作品じゃないというか。