青い文学 第3話「人間失格 #3世間」

主人公が「世間」に怯えそれから逃れるために酒に溺れていくわけですが、一人の少女と出会うことで光明を見出すと言ったところ。
ラジオやニュース映画で伝えられる情勢に出征していく兵士たちと戦争の色が濃くなっていく世間と、ひたすら自分の殻に閉じこもり続ける主人公との対比が印象的。女がなぜ自分に優しいのかという彼の疑問に対する、世間が女に優しくないからという答えが意味深でした。
酔いつぶれた主人公とたばこ屋の娘が出会うところは、雪で白く染まった街の中に赤い傘が映える場面となっていて、そのまま主人公の心象風景となっているかのようでしたよ。娘を演じるのが能登麻美子というのがハマっているところで、あの声であんなふうに接してくれたら誰でも前向きになれそうだなと。