青い文学 第11話「蜘蛛の糸」

原作は、蜘蛛の糸を登っていたら切れて地獄に逆戻りという短い話で、さすがにそれだけで一話通すのは厳しいようで、前半は独自の要素としてカンダタの悪辣ぶりを描く作り。金のために人を殺めるだけでなく、単に空腹を満たすためだけに罪のない女を手にかけ、さらにうるさいからという理由で国王を侮辱したりと、非道で自己中心的な人物として描かれておりました。
こんな人間なら蜘蛛の糸を独占しようとするのも当然と思える反面、素行の悪さが目立つために、悪人が当然の報いを受けただけとも受け取れて、原作を読んだときに感じる、人間なら誰もが持つ自己中な部分をさらけ出されたかのような居心地の悪さみたいなのが薄まっていたようにも思いましたよ。
中国風の世界に南米のカーニバルでも見ているかのような出し物との組み合わせが面白かったです。