ひだまりスケッチ×☆☆☆ 第1話「2月27日〜3月4日、真つ赤点/4月3日、ようこそ ひだまり荘へ」

ひだまり荘の住人たちの日常を描くシリーズもこれで三作目。毎回、事件らしい事件が起こるわけでもなく、彼女たちの他愛のない日常を描くということで、今回もゆのが赤点をとったり、ひだまり荘に新入生が入居したりするだけの話なんだけれども、そのほんわかとした雰囲気はやっぱり楽しくて、シリーズを重ねるだけのことはあるなぁと思いましたよ。
紗英のヒロに対する砂糖菓子みたいな女の子発言とそれに対する両者のリアクションと、今回も二人は百合々々しく、また新入生を歓迎しようとして待っていたのに、入れ違いで到着するあたりの脱力感にも笑せてもらいました。
以前のシリーズでは、かなり目立っていた実写の取り込みは控えめで、目立つところではゆのの目覚まし時計とデッサン人形くらいだったかなと。宮子の朝食の干し魚が実写でないのが印象深く、ここら辺の方向性の変化が気になりますよ。
大胆なカメラワークは健在。割れた皿を片付けたあと、学校へと急ぐ4人を追いかけていたカメラが、そのまま学校の時計に迫っていくところや、宮子たちが、ゆのの追試が終わるのを待つ場面で時計のアップからものすごい勢いでカメラを引くところ、そして203号室の子が部屋に入って誰もいないことに気付く場面で玄関から部屋の中まで一気に引くところと、ダイナミックなカメラワークが大変面白く。また背景を普通に描く代わりに、グラフィカルなパターンを多用する手法もより華やかな方向に進化していて、ここら辺の見せ方の工夫によって、日常的なお話を退屈にしない工夫なのかなと思いました。
基本的な作りは変わらないものの、見せ方に細かい工夫を加えてくるこの作品に、これからも期待したいところで、とりあえずは、明らかに未完成と思われるEDが、どんな仕上がりになるのかなと。