『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』

ややネタバレ気味なので未見の人は要注意。
非常に中身の詰まったストーリーでしたな。それぞれのエピソードを膨らませれば、また4クールのTVシリーズが作れそうな勢いで。まあ、それだけに説明不足かな、と感じるところもあるわけで、TVシリーズの最終話では、その後が描かれずに宙ぶらりんになってたキャラクターたちの末路がアッサリしてて残念だったりとか、敵方の描写も弱くて、その行動にについて、観客に対する説得力に欠けていたような気がしたりとか。まあ、時間的な制約で入りきらなかったんだと思いますが。それ以外の人気キャラについては、それぞれ見せ場があってカッコよかったし、元の世界では敵だった人物が向こうの世界では味方だったり、その逆だったり、意外なところで出てきたりと、いろいろと楽しめました。
作画的には、ジプシーの人のダンスとか地下都市や最後のバトルとかとてもいい動きで、それだけで劇場に足を運んで良かったと思わせるレベルでした。
ラストは重度のアニオタの自分でも一瞬「え?」と思わせる意外な展開。それじゃあ全然報われない人がいるじゃんとか思ったけど、ああやって旅を続けるのがアニメ版のハガレンのテーマでもあるのかなぁ、と思いました。
まだ見てない人にひとつ助言をすると、第一次世界大戦直後のドイツの混乱について、多少の知識があるといいかも。ちゃんと劇中で説明があるんで、なくても問題ないけど、世界史の教科書に書いてある程度の知識はあった方がより理解しやすいかと思いますです。