蟲師 第六話「露を吸う群れ」

生神の少女が蟲に寄生されているときの時間感覚を語る場面の映像が印象的。影や雲が定点撮影したようにめまぐるしく動いたり、雨の水滴が高速度撮影したように止まって見えたりと、「一刻一刻があたらしい」という彼女の感じる時間の流れを上手く表現していたように思います。突然老化がはじまって衰弱していく様子も非常に丁寧で、見ごたえがありましたよ。
一度は人間の世界に戻った少女が、再び蟲の時間を生きることを選ぶのはなんともやりきれなくて、父親から解放することはできても彼女の心を満たすことのできない少年が物悲しい感じ。そばにいながら全く別の世界を生きる彼女を見つめる彼の胸中を思うと切ないです。
原作に多いのかアニメ化の際に選んでるのか良く分からないけど思春期くらいの少年と少女をメインにした話は、1、2話と今回の3度目。不可思議な存在である蟲と思春期くらいの男女の関係という組み合わせは相性が良いみたいで、格別惹かれるエピソードになるようです。