蟲師 第十二話「眇の魚」

「蟲はあるようにある」とすべてを受け入れ、夫や子供を飲み込んだトコヤミの傍らで、自分が飲まれるのを待つぬいの姿が物悲しく。
蟲師・ギンコ誕生秘話といった感じで、彼の隻眼や銀髪、そして名前の由来が明らかに。一時のこととは言え、母親代わりになった人を奪った蟲の名を名乗るのは、なんとも皮肉といえるけれども、それもギンコ自身が「あるようにある」ということを受け入れることが出来たからこそなのかも知れず。記憶を失い、ぬいのことを忘れてもその言葉は彼の中に生きているということなんでしょうか。
蟲の方のギンコが発した光を浴びた生き物をトコヤミが飲み込み、トコヤミが飲み込んだ物をギンコが分解して光に変える、というのが興味深く、蟲に加えてその生態系みたいなものまで考え出す原作者はすごいなと。ギンコの姿も人間の方のギンコが自分の名前に選ぶのも納得の美しさでした。