電脳コイル 第12話「ダイチ、発毛す」

ある日突然ヒゲが生えて、それが次々と感染していくというだけでも十分バカバカしいのに、そのヒゲが意思を持って顔の上に文明を築くという斜め上を行く展開。顔の上での核戦争したり顔間で宇宙戦争を始めるという無茶さに笑わせてもらったんだけれど、その後の戦いの空しさを知って訪れる無常感が何ともいえない味わいが。神であるヤサコに与えられた土地を捨て、ヒゲたちが自ら新しい世界を探すために旅立つというラストは、感慨深いものがありましたよ。ナンセンスな設定でありながら、人間の文明を風刺するような内容が、筒井康隆の短編や藤子不二雄の短編といった往年のSFを思い出させるものでした。
結局イリーガルであること以外、ヒゲの正体についてよく分からなかったんだけれども、実は重要な伏線だったりする・・・なんてことはないかな。さすがに。