マジカノ 第13話「最終回ってマジですか」

なかなか人を喰った終わり方でしたな。日常を永遠に繰り返す、いわゆるループエンドってことになるんだろうけど、ループすること自体が、作品の設定に組み込まれているというのは面白いかも。それも担任の教師が言っていたように、単純に繰り返すのではなく、中身が少しづつ変化して、それが魔王である春生の心に影響を与えて、いつかは春生が開放される可能性を示唆しているところとか。惜しむらくは、これらを担任の説明セリフだけで片付けちゃって、一応文化祭の話で記憶がリセットされたりして伏線は張ってあるんだけど、無理矢理とってつけた感がするところかなと。
繰り返す日常を描いたアニメとしては、もはや古典ともいえる押井守の「ビューティフル・ドリーマー」があるわけですが、あっちは最後に夢から覚めることで繰り返しから抜け出す、という終わり方だったのに対して、マジカノでは、繰り返す日常を積み重ねていくことで、手に入れられるものがあるということを示していて、日常コメディの新しい可能性を切り開いた・・・とか言ったら穿ちすぎか。
まあとにかく、シリーズを通してギャグのキレが良かったし、野川さくら中原麻衣の怪演も堪能できたしと、とても楽しいアニメでした。パンツが脱げる場面を、あれほどまでに感動的に演出したアニメとしても記憶に残ることでしょう。