テクノライズ 第7話「PLOT」

「人間の持つ原初の力をもっともっと見てみたい」ということで、流9州の街を暴力で満たすべく暗躍する吉井。対立するオルガノと救民連合を焚き付けて全面対決にまで持って行く過程は実にスリリングで、ここまで淡々と街や登場人物の描写とテクノライズ等の諸設定の説明に費やし、ほとんどストーリーが動かなかったのは、この時の為にわざと抑えていたんじゃないかと思えるほど。何度見てもここからの盛り上がりには高揚感を覚えてしまいます。
主人公の櫟士は、ようやくまともな手足が付くんだけれど、やることといえばそれを動かすための練習という。まあ、道具を使いこなすというのは、野良犬と言われた彼が人間らしくなるために、人類の進化の過程をなぞっているんじゃないかと思うわけですが。蘭が差し出した花を受け取らずに通り過ぎていく姿が、この時点での彼の人間性を象徴しているようでした。目先の利益に囚われ連合を潰すことしか頭に無いオルガノの幹部の中、ただひとり大西だけが、対決を避けて秩序を保つべく策を練るのも要注目。一貫して揺るがない信念を持つ彼も、今後大きな役割を担うことになるので。