おおきく振りかぶって 特別編「基本のキホン」

一試合で投げるのは80球までが信条の榛名とその先輩を中心とした特別編。三橋をはじめとする西浦高校の面々が全く出てこないのにはちょっと驚かされもしましたが、榛名の野球に対する真摯な気持ちが、野球に対して揺らぐ先輩の気持ちを引きとめ、部の雰囲気まで変えてしまうということで、これまで自己中心的な人物として描かれていた彼の奥深さが見える話となっておりました。話のほとんどが野球に対する考え方みたいな会話で構成され、しかもチームメイトですらない脇役を使ってこれだけの見ごたえのあるものを作ってしまうあたり、心理描写の細かさはあいかわらずで感心しましたよ。
マネージャーの子の風呂上りの場面は男だらけのこの作品における清涼剤といったところ。涼んでいるときの衣装や私服のレースの部分に、色トレスが使われていてやわらかそうな感じが出ているのが良かったです。