アニメにおける監督の降板交代劇いろいろ・2009年版
既に各所で話題になっているようですが、バスカッシュで、監督の板垣伸の降板が決まったようなので、過去に作った監督降板リストに追加して再掲。
ソースはアニメーター・平田雄三の掲示板。チーフアニメーターを務めていた平田氏自身も降板の模様。
ここ何話かで、スーパーバイザーなる謎の役職がクレジットされたり、監督が連名になったりと不穏な動きを見せていたのでやっぱりという感じではありますが、またしてもサテライト、そして代打が、またしても佐藤英一ということで、キスダムの顛末とかぶってしまって、同じ会社で同じことがこうも続くと監督個人だけではなく、組織としても何かあるんじゃないかと勘ぐりたくなったりもしてみたり。
監督の板垣氏は、WEBアニメスタイルのコラムでバスカッシュにかける意気込みを熱く語っていたのに、こんな結果になってしまって無念だろうとは思いますが、一視聴者としては、ただ見守ることしか出来ないわけで、せめてキスダムと同じようにライブ感あふれるアニメになってくれることに期待したいです。
以下、著名な作品や人物に関わる監督の降板交代劇を、以前ピックアップしたものに今回の件を加えて再掲。*1
- 「タイトル」
- 誰から→誰へ
- 交代の理由
- ソース
の順で。
- 「ルパン三世・第1期」(1971-72)
- 大隅正秋(〜3話)→高畑勲・宮崎駿
- 初期の大人向けのハードボイルド路線が低視聴率だっため。高畑、宮崎に交代後コメディ色が強くなり国民的アニメになる土台を築く。
- 参照:ルパン三世 (TV第1シリーズ) - Wikipedia
- 「勇者ライディーン」(1975-76)
- 富野由悠季(当時は喜幸)(〜26話)→長浜忠夫
- オカルト要素を取り入れたロボットものとしてスタートしたものの路線変更を迫られ、混乱する現場をまとめる事が出来なくなったため。
- 参照:勇者ライディーン - Wikipedia
- 「ベルサイユのばら」(1979-80)
- 「うる星やつら」(1981-86)
- 押井守(〜129話)→やまざきかずお
- 押井が製作会社を退職。監督の個性を前面に出した作風と劇場版の製作におけるスケジュール管理による軋轢が原因とのこと。
- 参照:うる星やつら - Wikipedia
- 「めぞん一刻」(1986-88)
- やまざきかずお(〜26話)→安濃高志(27〜52話)→吉永尚之(53〜96話)
- 初期は原作に忠実として原作ファンから評価が高かったものの、それ故に作中の季節と現実の季節がズレることがあり、一般の視聴者からの苦情となって、それを受けて監督以下、キャラクターデザイナーやシリーズ構成といったメインのスタッフを総入れ替え。中期は季節感を合わせたものの内容的に原作からの乖離が目立ち、ファンからの批判を受けて交代。乖離に対する批判が投書という形で新聞に掲載されたこともあったそうで。
- 参照:めぞん一刻 (アニメ) - Wikipedia
- 「鎧伝サムライトルーパー」(1988-89)
- 池田成(〜19話)→浜津守
- 玩具の売り上げ不振。監督の池田は、女性ファンからの支持によりOVAで監督に復帰するが、後のガンダムWで再び途中降板。さらに2005年のクラスターエッジでも降板。
- 参照:池田成 - Wikipedia
- 「ふしぎの海のナディア」(1990-91)
- 庵野秀明(〜22話)→樋口真嗣→庵野秀明
- 23話からの通称島編で交代。庵野がシリーズ終盤を作業に専念するとの理由で中盤の監督を樋口に任せたため。
- 参照:「樋口真嗣」の版間の差分 - Wikipedia
- 「ミラクルガールズ」(1993)
- 安濃高志(〜17話)→ときたひろこ(30話〜)
- 監督の体調不良により。途中監督不在の期間があるのは後任が決まらなかったせいでしょうか。当初は独特の雰囲気が支持されていたものの、交代後は路線変更で普通の少女ものになってしまったと惜しむ声あり
- http://www.kanshin.com/keyword/82225
- 「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」(1996-99)
- 神田武幸(〜6話)→飯田馬之介
- 監督逝去により。
- 参照:機動戦士ガンダム 第08MS小隊 - Wikipedia
- 「彼氏彼女の事情」 (1998-99)
- 庵野秀明(〜14話)→佐藤裕紀、アンノヒデアキ
- 2週連続総集編、パンツ見せ等理由について諸説あり。庵野自身は降板後も実際は監督として働いていたとのこと。
- 参照:彼氏彼女の事情 - Wikipedia
- 「ドッと!KONIちゃん」(2000-01)
- ワタナベシンイチ(〜13話)→安田ケンジ
- 作品内容について局側から修正要求。担当する最後の回、監督自身が声を当てるアフロ犬が劇中でお別れの言葉を述べたらしい。
- 参照:2ちゃんねるの過去スレ「ドットKONIちゃん」の36
- 「シスター♥プリンセス」(2001)
- 大畑清隆(〜13話)→伊灘郁志
- 理由は明らかにされていないが、交代後に路線変更が見られるため、作品の方向性に関するものと思われる。
- 参照:シスター・プリンセス - Wikipedia
- 「あたしンち」(2002-)
- 大地丙太郎(〜5話)→やすみ哲夫
- ホームコメディを望むプロデューサーと独自の方向を目指した大地との意見の対立。
- 参照:あたしンち - Wikipedia
- 「魔法先生ネギま!」(2005)
- 宮崎なぎさ(〜13話)→羽原信義
- 劣悪な作品のクオリティ(主に作画)の責任を取る形で。クオリティについては放送開始が前倒しになったため、十分な製作期間が設けられなかった事が原因という説も。
- 参照:魔法先生ネギま! (アニメ) - Wikipedia
- 「キスダム-ENGAGE planet-」(2007)
- 「らき☆すた」(2007)
- 山本寛(〜4話)→武本康弘
- 京都アニメーションによる公式の発表とともに降板。過去に例のない「監督において、まだ、その域に達していない」というコメントが様々な憶測を呼んだ。
- 参照:山本寛 (アニメ演出家) - Wikipedia
- バスカッシュ(2009)
- 板垣伸(〜9話)→佐藤英一
- 平田雄三の弁によると「テコ入れ」とのことですが、今のところ詳細不明。3月26日の板垣監督のコラム(WEBアニメスタイル_COLUMN)が降板のことを差しているのだとすると、放送開始前には決まっていたことになりますが・・・
- 参照http://otdi5.jbbs.livedoor.jp/2013562/bbs_treeレスNO.1585