BACCANO! 第9話「クレア・スタンフィールドは忠実に職務を遂行する」

レイルトレーサーの正体が明らかになるわけですが、はじめの方の話で死体で見つかったはずの若い方の車掌その人だったというのには驚きましたよ。彼が白服と黒服の連中を次々と消していく理由は、恩のある人ための復讐ということで動機は理解できるんだけれど、やり方が汚いというか極端すぎるというか。これまでに登場した人物と比べても引けを取らないインパクトの持ち主となっておりました。
久しぶりに話の中心に来たラッドは今回も絶好調。仲間の死体を見て、その状態の酷さに興奮したり思い出したように同情したりやっぱり興奮したりと、感情の起伏が滅茶苦茶で凄惨な状況なのにちょっと笑ってしまったり。血の海の中で地団駄を踏んで服に血が飛び散るところは、思わず目をそむけたくなるんだけれど、その場面が、ラッドの興奮を抑えきれないといった感じの動きがやたらとよく描けているという作画的に一番の見所になっているのが皮肉な作りでした。ラッドを演じる藤原啓治は今回もノリノリで、興奮を抑えようとしているのにどうしても止まらないった様子が素晴らしかったです。
ラッドに食堂車の乗客を殺害するように頼む少年が衝撃的。とりあえず殺して不死者を見分けようということなんだろうけれど、人を人と思わないその合理性は死を超越した人物ならではといったところ。ダラスも不死者(不完全な方だけど)になって、これまで断片的な描写を積み重ねてきた物語に徐々に繋がりが見えてきて面白くなってきましたよ。

CLANNAD 第1話「桜舞い散る坂道で」

AIRKANONと来て、KEY原作、京都アニメーション製作のアニメがついに地上波に登場したわけですが、画面が左右ぶった切りの4:3でちょっとションボリ。冒頭で主人公と渚が出会う場面での顔のアップが窮屈そうでしたよ。まあ緻密な背景と丁寧な作画はこれまで通りに素晴らしく、途中で気にならなくなって普通に見入ってしまいましたが。街が好きじゃないと語る主人公の言葉を反映し、黒い影として描かれる鉄塔や雑草の生い茂る空き地といったモノトーンの風景と、渚と出会った時の満開の桜の花の鮮やかさとの対比が印象的でした。
話の方は人物紹介と演劇部を復活させるという物語の当面の目的が示されるといったところ。それぞれのヒロインの特徴が分かりやすく、渚の両親のおバカさには笑いました。いかにもな学園コメディといった日常を描いておいて、主人公自身がどっぷりと浸かっているにも関わらず、随所にそれを否定するモノローグが入るのが気になりましたよ。

BLUE DROP 第1話「Hydrangea」

祖母の庇護の元に育てられた少女が突然全寮制の学校に送られ、周囲の人々と衝突しながら成長していくという寄宿舎モノみたいな導入。一方で、過去にヒロインが大災害に巻き込まれていた事が描かれ、それに反応してライバルになりそうな子に何かのスイッチが入ったり謎のメカが出てきたりと、世界の危機みたいなSFっぽい設定もあるようで、この二つの要素をどのように見せてくれるかに期待といったところ。
祖母から捨てられたと思い込むヒロインの心情が丁寧に描かれていて、メガネの子と打ち解けるあたりもなかなかいい雰囲気。西園寺がカモメに囲まれる場面は、その数に圧倒されたけれど、ヒロインが彼女に水をかけて親衛隊?の女の子とケンカになる場面は全然動かなくてちょっと先行きが不安になりましたよ。

ご愁傷さま二ノ宮くん 第1話「キスしちゃえよ」

サッキュバスの女の子と一緒に暮らすという同居エロコメ。この手の作品にしては珍しく主人公が驚異的な身体能力を持っているんだけれど、何故か周囲の人間の加虐性を煽ったりして、いろいろと報われない人物であるというところはお約束の設定といったところで、そこら辺がヒロインの能力に対して耐性があることと関係しているような気もするわけですが、まあそんなことはとりあえず置いといて、彼に次々と降りかかる寸止めエロが大変よろしかったですよ。女の子たちに囲まれて無理矢理パンツを見せられる場面で、セリフの説明だけで済ませて視聴者には見せないのには不安になりながらもこれはこれでと思いつつ、台所でのヒロインの無防備なパンチラから下着が透けて恥ずかしがるというコンボで一気に開放するあたりは、見せ方が分かってるなぁと感心。
内容的には特に目新しさはないけれど、次はどんなシチュエーションで見せてくれるのかと期待させてくれるものとなっておりました。視聴者の気持ちを代弁するサブタイトルも秀逸。

Myself;Yourself 第1話「なつかしい場所」

幼い頃に住んでいた町に主人公が帰ってくるところから物語がはじまるギャルゲーというか、心の中の失われたものを取り戻すみたいな話に定番の作り。
他の3人の雰囲気は変わらず速攻で気がついたのに、メインらしいヒロインが雰囲気が変わってしまって主人公が気づかないというのは波乱を感じさせる引きで、彼女が変わってしまった原因が物語の中心になりそうな予感が。主人公が家族と離れて一人で町に戻って事や母親との電話で彼が学校に行っていなかったらしいことも気になりますよ。冒頭のお別れのパーティーは短いながらもそれぞれキャラを立てる場面となっていて、片方だけの手ぶくろや未完成の曲といった伏線になりそうなアイテムを用意しつつ、メインのヒロインだけ性格が変わってしまったことを際立たせておりました。
全体的に落ち着いた演出となっていて作画も丁寧、田舎っぽい雰囲気の感じられる背景もいい仕事でした。ドジッ子役が金田朋子というのはありがちなんだけれど、加えて巨乳というのは珍しく新鮮なものがありましたよ。