蟲師 第22話「沖つ宮」

産み直しとそれに説得力を持たせる蟲の設定が秀逸。よくまあ、こんな面白い設定がいくつも作れるもんだと、毎度のことながら感心することしきり。
人の時間を喰う蟲ということは、産み直された存在は記憶を引き継いでいないわけで、それを元の人間と同じように扱うのは死に行く者や残された者の自己満足でしかなく、それは幸福なことなんだろうかとか。今回の母親が、自分が産み直した存在に違和感を感じつつも、最後に娘としてあるがままに受け入れるのは、視聴者である我々の感覚に近く感情移入しやすいわけだけれど、産み直しを当然のものとして受け入れている島民たちには、また別の感覚があるんじゃないかと、いろいろと考えさせられる話でした。ギンコの幸福を奪う権利はないという言葉は、このことなのかなと。