テクノライズ 第19話「HEAVENWARD」

地上編。地上波ではスケジュールの都合で飛ばされて、ネット上で公開されたエピソード。
人々が争う薄暗い地下の街から一転、穏やかで明るい世界に舞台が移るんだけれども、そこもまた狂っているという。最後の望みを託して助けを求めにいった先が、滅び行く世界だったという展開は何とも言いがたい絶望感があって、吉井さんが、あんな行動に走った理由が分かってしまうのが切ないですよ。
作品世界の全容やオベリスクテクノライズの関係、地下世界が作られた経緯と設定明かしの話でもあるんだけれど、会話にさりげなく織り込んだり記録映画で見せたりと、説明的になり過ぎないのが、雰囲気を壊さない上手い見せ方。歩くだけの場面に何分もかけ、目を引くような事件が起きるわけでもないのに、全体を通して緊迫感が漂っているのは、地上の人間とのズレた会話とラジオとおかげでしょうか。ラジオが発する意味のない言葉のくり返しが、見終わったあともいつまでも耳にこびりついて奇妙な余韻を残します。