テクノライズ 全話を通して

とにかくワケワカラン、というのが初期の数話の印象。でも吉井さんが暴れはじめてから、しり上がりに盛り上がってきて振り返ってみれば、そのワケのわからないところも重要な伏線だったことに気付くという。断片的な描写を積み重ねて、物語を組み立てていくのが見事で、はじめは全く共感できない主人公に対し、最後には思いっきり入れ込んじゃったりして、”化ける”というのはこういうことなのかと実感しましたよ。
作画は全体的に動かなかったけど、レイアウトやカット割の巧みさで上手くカバーしていた感じ。音楽的にはOPをはじめテクノが非常に効果的に使われていて、ラストシーンでここぞとばかりにかかる石田燿子が歌うウェットな曲が感動的でした。
こんな名作が人知れず埋もれているのが、実にもったいないんだけれど、でもはじめの頃のとっつきにくさを考えると無理もないのかも知れず。AT-Xでの再放送を期に再評価されるのを願いたいところ。