Mnemosyne-ムネモシュネの娘たち- 第4話「幽霊は叫ばない」

2025年が舞台ということで、ネット世界の人工知性という未来っぽい存在を中心に物語が進んでいくわけですが、彼女が作られた経緯やらその目的やらの謎解きについては例によってアッサリとしていた印象。むしろ前回退場した前埜の息子が成長して登場したり、馴染みの刑事が定年を迎えていたりと、周囲の時間の流れと、変わることのない燐とミミとの異質さを強く意識させる作りになっていたように思いましたよ。
爆発に加えて酸をかけられたりして燐の死亡描写はさらにエスカレート。どこまでやったら死ぬのかという女暗殺者とのやりとりが、最後の死体も残らないような状況と燐が不在のまま終わることへの前振りとして効果的でした。
前回まで情報料を支払うことを嫌っていたミミが、けっこうハマっているあたりに微妙な変化を匂わせつつ、燐が前埜の息子に対して母性的に接する様子との対比されているのが印象的。燐の力になりながらも世話にはならないという刑事の最後が切なくもあり、最後の回想で明かされる燐に握られていた弱みがおかしくもあり。
ハッキリと前面に出ていたわけではないけれど、不死を巡るシリーズを通してのテーマに加えて、今回は男の性が描かれていてなかなか味わい深い話となっておりました。