ワンナウツ 第25話「勝利の先に・・・」

最終回なのに、紙ヤスリを持っているとかいないとかの心理戦に大半を費やすあたりがこの作品らしいところといいますか。
オーナーと結託したブルーマーズ側の策略により、東亜がボールに傷を付ける反則を疑われるという展開。ここまで見てきた視聴者としては、東亜がこの程度の罠にかかるわけがないのが分かっているわけで、どのように切り抜けるのかが見所になるんだけれども、はじめからすべてお見通しな上に、自分が仕掛けられた罠を相手側にそっくり返すということで、気持ちのよい展開でしたよ。
最後は、俺たちの戦いはこれからだ的な終わり方で、実は作中の時間で一ヶ月しかたってなかったのには驚いてみたり。またリカオンズに入団するキッカケとなった東亜と児島との勝負に触れるわけですが、改めて東亜が負けを認めて、児島への敬意みたいなのが表わしつつチームを優勝に導くことを語るあたりは一応まとめっぽくなっていましたよ。
ヤスリの件で東亜が、ことを公にせず土下座で許すのは意外に甘いようにも見えましたが、まあ相手を追い込んだ時点で勝負はついていたわけだし、もしかしたら児島が自分にかけた温情を意識したのかなぁとも思えるところ。
 
・まとめ
野球を題材にしているものの、やっていることは麻雀漫画をはじめとするギャンブルものにありそうな手の内を読み合う心理戦だったりルールの虚をついた騙し合いだったりするのが異色。そのせいかチームプレイである野球としては、ちょっと苦しく感じられることもありましたが、まあ面白さ優先と考えれば納得のいくものでしたよ。
相手チームとの対戦だけではなく、試合の中に年俸をめぐるオーナーとの駆け引きを絡ませるのは秀逸で、勝負に複雑さと意外性を盛り込むものとなっておりました。
特に、ホームスチールを100%成功させる選手を登場させ、それに対する対抗策を繰り出していく対ジョンソン戦が面白く。脚が早いだけというシンプルな設定から、何パターンもの勝負を生み出していく様には感心させられました。