テクノライズ 第20話「HADES」

地上編その2。
ドクとの別れ、遠山との決闘、父親へのわだかまりの解消と、櫟士というキャラクターにとって重要なエピソード・・・なんだけれど、地上波放送の時には飛ばされてネット上でも10分程度のダイジェスト版が公開されただけという。まあ、放送スケジュールの関係で、地上編を飛ばさないと最終話が放送できなかったわけで、中途半端に終わられるよりはマシだったのかなと。飛ばされたおかげで、次回のアバンで流れるあのナレーションが作られたわけでもあるし。
櫟士と遠山の決闘は、殺し合いをしながらも二人の心の近さを描く場面で、「ありがとう」という遠山の言葉が、自分の最後を預けるに値する人間として櫟士を見ていたことを感じさせます。二人の戦いを傍観する鷺沼の姿や言葉が、地上が終わりを待つだけの世界であることを強調しておりました。
父親の幻影*1に、謝罪する櫟士は、初期のころとは別人のように人間的で、決闘と並んで地上での数少ない意味のある出来事。残るように請われながらも平和な地上に背を向け、暴力が支配する地下に再び戻る姿が静かに熱いです。

*1:DVDの解説によると、地下の人間のデータを集めて「幽霊」として地上を歩かせていたらしい