とらドラ! 第16話「踏み出す一歩」

北村の生徒会長就任騒動の続き。
彼が現会長の件ですねていたのは予想通りだったわけだけれども、大河の殴り込みによる現会長とのガチバトルから、それぞれの感情がさらけ出されるのは驚愕の展開。聞いてて思わずのたうち回りたくなるような恥ずかしいセリフが飛び交っていましたが、バトルによって登場人物とともに見る側のテンションを上げて一気にまくし立てるということで説得力のある場面となっておりました。
映像的にも大変力の入った場面となっていて、動かすことに重点を置いて時に大胆なデフォルメを見せる作画や、激しく切り替わり躍動感のあるカメラワーク、そして感情をあらわにして崩れた表情と物語の盛り上げるのにふさわしい出来映え。アクション時のキャラデザから逸脱した作画はよく非難の的になるけれども、この場合は登場人物、特にクールな会長が隠された一面をさらけ出すことへの導入として、見事にハマっているように思いましたよ。絵柄によって場面の雰囲気を作ることが出来るのもアニメの特色なんじゃないかなと。
ちなみに作画担当は沼田誠也かんなぎの2話で山本寛から皮肉を言われ、担当したパートが差し替えられたことが記憶に新しいアニメーターですが、ここでは本領発揮といったところでしょうか。
大河が、北村を立ち直らせるために偽装立候補をして友人たちを巻き込んで芝居を打つわけですが、その真意が本人にも伝わっているにも関わらず、結局のところ、決め手となるのが会長による一押しというあたり、北村の中での会長の存在の大きさが決定的に示されるという。大河の届かない想いが切ないところですが、二人の手紙のやりとりで和解が仄めかされているのは細かいフォローでしたよ。
終わり際に亜美が実乃梨にかけた罪悪感云々という言葉が意味深で今後の展開の鍵になりそう。大河の手帳に挟まったもう一枚の写真の存在も気になるところ。