咲-Saki- シリーズ全体としての感想

はじめの何話かは百合っぽいのがメインで麻雀はオマケといった印象でしたが、さりげなく映る捨て配や手牌をよく見てみると、麻雀的にも綿密に作られていることが分かるようになっておりました。特に団体戦における部長の悪待ちについては、それが最善手となる牌の状況が、捨て牌と手牌によって作られていて、このブログでも考察したりもしましたが、考えれば考えるほどよく出来ているなと感心させられましたよ。
また大将戦のチャンカンの扱い、古役によるマニアックなアガりや、それよって浮き彫りにされる咲と衣を象徴する牌と、物語の進行に麻雀というゲームの特徴を組み合わせて盛り上げてくれました。ここら辺はほぼ原作通りだそうで、麻雀としての面白さも追求する原作者の姿勢が忍ばれます。
中心となる清澄をはじめとして、各校も合わせて二十数人の主な登場人物の全員がそれぞれキャラが立っているのも驚異的。何人かの人物の間に漂う百合っぽい雰囲気も楽しく、学校ごとのキャラクターというか部の雰囲気も個性的で皆魅力がありましたよ。
麻雀ものにありがちなダーティな側面、大金を賭けたり、男同士の命を削るような死闘、そしてイカサマ等々、を徹底的に排除し、高校生による部活動という青春路線にしたのも画期的のように思いました。
数少ない不満点としては個人戦が駆け足で終わってしまった事がありますが、これも話数的な制約を考えると仕方のないところかなと。
途中で制作会社が変わって制作会社だったところが制作協力になったりして、このアニメを巡る環境に大きな変化し、見えない苦労があったことかと思いますが、最後まで楽しい作品を作り続けてくれたことに感謝。続編については、すぐにはじめられるというものではないでしょうが、是非に作って欲しいところ。